あなたはあたしに、たくさんの幸せをくれるんだよ











幸せのカタチ










「セルフィー、こっちの服とこれだったら、どっちのほうがかわいいかなぁ」
光沢のある花柄のフレアスカートに、ノースリーブのニット。
それからシンプルなテーラードジャケットをあわせた服装。





もうひとつのコーディネートは、茶系のマーメイドラインのスカートに、重ね着に見
える白のニット。
大人っぽい雰囲気の服なんだよね。





最近はどちらかといえば、茶が主流。
だけど、スコールは黒っぽい服が多いじゃない?
一緒にいて、違和感がないようにしないとね。





それで、今日のデートでは、セルフィーに意見を聞こうと思ったんだ。
キスティスもいれば完璧なんだけど、お仕事なんだよね。
残念。





いつだってかわいいって思ってもらいたいじゃない。
スコールには。










だってあたしは、いつだってスコールのこと、かっこいいって思うんだもん。
スコールってば、背も高いし、スタイルがいいから何でも似合うんだよね。







きっと、スーツとかでも似合いそう。
だって、あのSeeD服をあそこまで完璧に着こなすんだよ?
ずるいよね、あのかっこよさは。










あたしには、真似したってできないじゃない。
だから少しでも、スコールがかわいいって思ってくれるように、努力しなきゃね。










「今日はどこ行くん?」
「えーと、バラムの街でショッピングして、夜は新しくできたっていう人気のレスト
ランで食事だよ」
本当に、定番のデートコース。
スコールはお仕事が忙しくて、なかなか連休なんて取れないじゃない。
だから、遠出をすることはできないんだよね。






でも、あたしが行きたいこと。
したいことを、彼はなぜか知っていて。
いつも、あたしが喜ぶようにしてくれるんだ。










「せやったら、こっちかな。最近夜がかなり冷えてきてるからなー。ジャケットが
あったほうが、ええやろ」
「ありがと、セルフィー」





服が決まると、アクセサリーやバックなんかの小物を決めて。
それから、メイクもして。





女の子は、デートの前の準備が大変だけど。
大好きな人のために、きれいになるんだもん。
ちっとも嫌じゃないよ。










「…はんちょとのデート、一ヶ月ぶりやろ?」
「そうだよ。久しぶりにお休みがとれたんだって」





久しぶりのデート。
スコールってば、毎日毎日お仕事ばっかりで。
毎日のように、どこかに行ってる。





ガーデンにいても、デスクワークの仕事をこなさないとだめだから、司令官室に泊ま
り込むことも、多いんだよね。





そんな彼が、あたしのためにお休みを取ってくれた。





いつも、一人にしているからって。
あなたのそんな優しさが、あたしは大好きで。
幸せだなって、思うの。










ちいさく笑ってくれる。





手をつないでくれる。





キスを、してくれる。





ぎゅっと抱きしめてくれる。











あなたが他の誰にもしないこと。
あたしだけに、してくれる。





あたしだけの、あなた。










ねぇ、それがどんなに嬉しいことか。
あなたは知らないでしょう?










いつも、会うたびにあたしはあなたに恋をするの。
何度も、何度も。










初めて会った、あの夜のときのように。










違うあなたに、恋をするんだよ。




















「…はんちょのこと、考えてるやろ?リノア」
「え…」





急に言い当てられたものだから、顔が真っ赤になっちゃった。





「恋する女の子は、綺麗やもんね」
「セルフィーったら!」
「怒らない、怒らない!なぁ、はんちょとの約束の時間、もうすぐなんとちゃう?」





指差したほうにある時計を見ると、約束の時間まで、残りわずかとなっていた。
「やだ、もうこんな時間!セルフィー、今日のお礼はまた今度でいい?」





あたふたと、バックとジャケットを手にする。
もう一度だけ、鏡をのぞいて、お化粧のチェック。





スコール、かわいいって思ってくれるかな。







「いつでもええよ。そんなん。綺麗やで、リノア。はんちょも惚れ直すで」
「ほんと?ありがと」





手を振り、セルフィーに別れを告げる。
いつもいつも、あたしのわがままに付き合ってくれるんだよね、セルフィーは。







今度、おいしい紅茶をごちそうしようかな。










待ち合わせ場所は、カードリーダー前。
スコールのことだから、絶対に5分前には来てるのよね。







んーと、あ、いたいた。
うわ。










一ヶ月ぶりに見る、あなたの姿は。
とても愛しくて。





思わず、涙が出そうになったんだよ。










ねぇ。
ただ立っているだけなのに、どうしてそんなにかっこいいんだろう…?










気づいて、小さく手を振ってくれるあなた。
笑ってくれるあなた。





「リノア」
って呼んでくれるあなた。





いつだって、あなたはあたしにたくさんの幸せをくれる。










そして、あたしは。
またあなたに、恋をするんだよ。










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『日常生活でのスコリノいちゃいちゃ』というリクのはずだったんですが。
これではただの、のろけ話です。
スコールだして、もっといちゃいちゃさせたかったんですが、挫折しました。
私の力では、到底無理です。
いそあさん、こんなものでもうしわけないです。





いそあより。
なーにをおっしゃいますやら、kazuraさん!!(笑)
わたしには逆立ちしても書けないっす、こんなにハニーな小説は!!
一生懸命服選びするリノアちゃんも可愛いですが、手を振って笑うスコが!!
うわー萌え!!(>∀<)!!(スコメロじゃないのに/笑)
きっとリノアちゃんの前でしかしないんだぜー。しかも無意識にやってて、後で
指摘されて、あたふたするんだろう。ああ、愛しい・・・・(爆)。


わたしのテキトーなリクにこんなに素敵なお話書いてくれてありがとうでした!!
おまけというか、なんというか、このお話のイメージイラスト書いてみました。
コチラ