16、ひとりぼっち (スコール5歳) 8がつ23にち。はれ。 きょうは、ぼくのたんじょうびです。 みんながおいわいしてくれました。 おねえちゃんが、こののーとをくれました。まいにちのことをかくといいよ、とおねえちゃんはいいました。 だから、がんばってまいにちかこうとおもいます。 8がつ24にち。はれ。 きょうは、さいふぁーとけんかしました。 でも、ぼくはわるくありません。 さいふぁーは、どうも、ぼくがおねえちゃんにぷれぜんとをもらったのがおもしろくないみたいです。 こののーとのことを、ばかにしました。 だから、ぼくは、さいふぁーをけっとばしました。 まませんせいは、けんかはだめといいましたが、ぼくはわるくありません。わるいのは、さいふぁーです。 8がつ25にち。くもり。 きょうは、かぜがつよいから、おそとへでてはだめだとぱぱせんせいがいいました。せるふぃはおこってあばれています。みんながっかりしてました。 でも、ぼくはへいきです。こののーとがあるから、ぼくはへいきです。 〜中略〜 10がつ20にち。あめ。 よなかにめをさますと、まませんせいとぱぱせんせいが、なんだかむずかしいかおをして、はなしをしていました。ぼくがおしっこ、というと、あわてておはなしをやめたみたいでした。 でも、なんだかへんなきもちがします。さっき、まませんせいたちは、おねえちゃんのはなしをしていたみたいだったから。 10がつ21にち。あめ。 きょうもあめなので、おそとであそべません。こういうひは、いつもおねえちゃんがほんをよんでくれます。だから、ぼくはあめでもへいきでした。なのに、きょうのおねえちゃんは、なんだかぼんやりしています。ぼくがどうしたの、ときいたら、なんでもないといってくれました。おねえちゃんは、うそをついたことがなかったから、だからだいじょうぶなんだとおもいました。 10がつ22にち。はれ。 きょうははれていたので、ぼくは、うらのおにわでおはなをつみました。きのうのおねえちゃんが、げんきがなかったからです。ぼくがおはなをわたすと、おねえちゃんはないてしまいました。どうしてないてしまうのか、ぼくにはわかりませんでした。 10がつ23にち。はれ。 さいきんのおねえちゃんは、いつもうみをみています。きすてぃすやせるふぃがさそっても、あまりいっしょにあそばなくなりました。どうしてなんだろう。ぼくにはわかりません。 おねえちゃんは、さみしいのでしょうか。 〜中略〜 12がつ20にち。くもり。 さいきん、おねえちゃんはぱぱせんせいとよくでかけます。なにをしてるの、とききましたがおしえてくれません。きっと、ふたりでおいしいものをたべてるんだ、とせるふぃはいいました。 12がつ22にち。あめ。 こののーとはおねえちゃんがくれたものだから、おねえちゃんにはなしができないひも、おねえちゃんにはなしているようなきがします。さいきんのおねえちゃんは、なんだかさみしそうです。うつむいていることがおおいです。そんなおねえちゃんは、なんだかとてもとおいと、ぼくはおもいます。 12がつ23にち。あめ。 きょうも、おねえちゃんはぱぱせんせいとおでかけです。せるふぃやきすてぃすが、おねえちゃんにおみやげをたのんでいました。でも、おねえちゃんはだまってくびをふりました。 12がつ24にち。くもり。 きのうから、おねえちゃんはかえってきません。 ぼくはずっと、ねないでまっていましたが、まだかえってきません。 でも、ぼくはまっています。 きっと、おねえちゃんはかえってくるのです。 12がつ25にち。くもり。 ぱぱせんせいがかえってきました。でも、ぱぱせんせいはひとりでした。みんな、おねえちゃんのことをききました。でも、ぱぱせんせいは、「おねえちゃんは、とおいところへいったんだよ。」というだけでした。ぼくにはわかりません。どうして、ぼくをおいてどこかへいってしまうなんてことがあるのか。わかりません。 12がつ26にち。くもり。 きょうは、まませんせいのところに、おとこのひとがたずねてきました。ぼくはおねえちゃんをさがしにそとへでていったあと、そのひとをみました。 ぼくは、いっしょうけんめいおねえちゃんをさがしました。でも、おねえちゃんはどこにもいなかった。いくらよんでも、おねえちゃんのこえはしなかった。 12がつ27にち。あめ。 ぼくは、まいにちこののーとにおはなしをしていました。でも、それもきょうでやめます。 ぼくは、おねえちゃんにおいていかれたのです。いくらよんでも、おねえちゃんはこたえてくれなかった。なにもいわないで、いなくなってしまった。 ぼくは、ひとりぼっちです。 ぼくは、ひとりでがんばれるようにならなくてはいけません。おねえちゃんがいなくなったのはきっと、ぼくがひとりでがんばれないこだったからなのです。だから、ぼくはがんばります。 こののーとをみると、なきたいことばかりかきそうなので、もうかきません。 ぼくは、ひとりなのです。 16、ひとりぼっち end. ***************** 今はもう、覚えてもいないこと。 |