失われた風景 〜 epi. 〜




    いつも好きだった風景をスコールと眺めている。




    あのころ感じた気持ちと今感じる気持ちが違うように。



    わたしも、きっと、あのころとは違うんだろう。





    目の前を、少女だったころのわたしが駆け抜ける。



    きっと、もう追いつけない。





    でも、追いつこうとも、思わない。




    なくしてしまったものもあるけど、あのころ欲しいと思っていたものを手に入れたから。






    さようなら、あのころのわたし。





    そして、ありがとう。






    あのころのわたしを育んでくれた全てのものへ。






    わたしは、これからもわたしらしく生きていく。




  
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